相続でよくある「兄弟姉妹」の相続トラブルについて

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。

兄弟姉妹間の相続トラブルのご相談は、弁護士歴14年以上のこれまでの経験からも多く感じます。

「私たち兄弟(姉妹)は仲も良いし、遺産分割協議でもめる、ましてや相続トラブルが起きるわけないよ」とお思いの方も多くいらっしゃるかと思います。

しかし、実際、家庭裁判所に申し立てられた遺産分割に関する紛争(調停・審判)のうち、3割は故人の遺産が1000万円以下のご家庭で発生しております。

 

また、ご家族・ご親族が亡くなり、兄弟姉妹間で相続トラブルが発生すると「こんなはずじゃなかった…」と後悔される方も実際多くいらっしゃいます。

本記事では、「兄弟姉妹間の相続トラブル」について、当事務所の弁護士が解説いたします。この記事を通して、そのような後悔がなくなるように、また、すでにトラブルになってしまった方には今後の参考になれば幸いでございます。

当法律事務所のサポートについて>>

 

実際に当事務所に寄せられた相談事例

・兄弟姉妹の一人が遺産の情報を教えてくれない

・兄弟姉妹から説明もないまま「書類にサインしてくれ、印鑑証明書を出してくれ」と要求されている

・兄弟姉妹と自分たちの意向が対立していてなかなかまとまらない

・兄弟姉妹が遺産分割の話し合いに応じてくれない

上記のような状況が発生するのはどうしてでしょうか。当事務所の弁護士より、その原因を解説いたします。

 

「兄弟姉妹」間で相続トラブルが発生する原因

兄弟姉妹間で相続トラブルが発生する原因のうち、典型的なものをまとめました。

 

長男が一番多く遺産をもらえると思いこみをしている人がいる

ご年配の兄弟姉妹の中に、戦前の「家督相続」制度を前提として考えている方がいらっしゃる場合、上記のような「長男が一番多く相続できる」と思いこみ、主張をする場合があります。

現在は、子は平等に均分相続をすることになるため、民法で定められた法定相続分に従って、公平に分配されるようになっておりますが、上記の主張を譲らないような場合、遺産分割協議が進まなくなってしまう可能性があります。

 

遺産分割が難しい財産が多く、どうしても不公平になってしまう

故人の残した遺産の中でも遺産分割が難しい財産、特に不動産が多い場合には、その不動産をどのように分けるか、また分けられない場合どうするのか、がなかなか決まらず、遺産分割協議が進められなくなる場合があります。

 

親が生前に口頭で話をしていた内容を主張する

故人が生前に「この財産は長男に渡す」などの話をしていることがあります。

その内容が遺言書の形で残っていればいいのですが、遺言書にしていない場合には、たとえそのような話をしていたとしても法律的な効力はないのです。

しかし、話を聞いた長男、故人の遺志に沿って財産を受け取ることを主張すると、他の兄弟姉妹が納得せずに話し合いがうまくいかないことがあります。

 

疎遠だった兄弟姉妹が、親が亡くなったことを聞きつけて、相続分を主張する

「親に勘当された」、「実家を出ていったきり帰ってこない」など、あなたや故人と疎遠な兄弟姉妹がいる場合、故人の訃報や遺産分割協議のお伺いの連絡を聞きつけて、相続分を主張する場合があります。

特に、相続人を調査したうえで、あなたご自身やあなたのご家族が知らない相続人の存在が判明した場合は要注意です。穏便に進めるためにも、相続人調査を通して、誰が相続人か、また、どのような関係性なのか、さらに、どのように進めると円満に遺産分割協議が進められるか、をよく検討する必要があります。

 

兄弟姉妹があなたに対して生前贈与があったと言ってくる

亡くなった親から、高校・大学への進学のための教育費用や、住宅の購入・建築費用、結婚式の費用などを過去にもらっていたことはありませんか?

そのような場合に、あなたの兄弟姉妹が、それは生前贈与であり、「特別受益」にあたるから、具体的な相続分は少なくなるはずだ、と主張されることがあります。

特別受益の対象となるものの一例を下記に記載いたしますが、個別具体的な内容については、一度弁護士にご相談いただいたほうが良いでしょう。

①遺贈
②生計の資本としての贈与

…具体的には住居とするための建物・土地の贈与、不動産購入のための資金の贈与、土地・建物の無償使用、扶養義務の範囲を超えた生活費の援助等

 

親と同居していた兄弟姉妹が「寄与分がある」と主張してくる

親が住んでいた家に同居している兄弟姉妹が、「親の介護をしていた」、「生活費を親に渡していた」ということを理由に、寄与分の請求が可能だ、と主張する場合があります。

これらを主張するには、主張を裏付けるための証拠(例えば生活費の支払いがわかる領収書や通帳等)が必要となりますが、それらを提示しない場合には、提示を要請する必要があります。ご自身で進めることが難しい場合が多いため、弁護士を通して要請する場合が多いでしょう。

また、場合によっては、親と同居していた兄弟姉妹が、親の預貯金を使い込んでいる可能性もあります。このような可能性がある場合も、弁護士に一度ご相談されたほうが良い場合が多いでしょう。

>>財産の使い込みを指摘する場合

 

親と同居していたあなたに対して「預貯金の使い込みをしている」と主張してくる

上記とは逆に、あなたが親と同居していた場合、「親の預貯金を勝手に使いこんでいる」という言いがかりをつけられる可能性もあります。

上記の場合で、例えば生活費にしか使っていない場合であれば、その主張に対して、証拠を基に反論をすることが可能です。一方で、生前に贈与として受け取っている財産がある場合は、前述のとおり、特別受益として遺産分割の際に「持戻し」の対象となる可能性があります。

 

兄弟姉妹間の相続トラブルを防止するには

では、相続トラブルに発展しないようにするためにはどうすればよいのでしょうか?

 

 

故人の死後、なるべく早めに相続人と相続財産を調べ、全容を把握する

故人が亡くなり、直後に必要な手続や葬儀・法要が終わったら、なるべく早く、相続人と相続財産をお調べいただき、誰にどのくらい相続財産を分配しないといけないか、を把握しましょう。

もし、把握するための作業をする余裕がない、相続トラブルが発生する可能性を専門家に判断してほしい、という方は、当事務所の弁護士による「相続人・財産調査パック」をご利用いただくとよいでしょう。

 

少しでも「遺産分割協議が進まないな」と感じたら弁護士にご相談いただく

実際にあなたの兄弟や姉妹とともに遺産分割協議を進めていく中で、少しでも「遺産分割協議が進まないな」、「これはまとまりそうにないな」と感じることがありましたら、なるべく早いうちに弁護士にご相談いただくと、協議・交渉の時点で必要なことをお伝えすることが可能です。場合によっては、弁護士より、交渉の代理や調停の申立てをすることをご提案させていただき、あなたの希望する解決方法に導けるようサポートいたします。

当法律事務所のサポートについて>>

兄弟姉妹間の相続トラブルはまず弁護士に無料相談

当事務所では、弁護士歴14年以上の経験がありますから、このような遺産分割に関する問題は、弁護士が関わることで解決に導くことが可能となります。

 

すでに兄弟姉妹間で相続トラブルになっている場合

すでに兄弟姉妹間で話し合いが進まない状態や、話し合いが成立しない状態が続くなど、相続トラブルが発生している場合、そのままご自身のみで交渉を進めることは非常に難しいと考えられます。

また、遺産分割調停に発展してしまった場合は、法的主張や主張を裏付けるための証拠収集・整理・提出をする必要がありますが、それを独力で進めることは、よほど法的知識をお持ちでない限り困難を極めるでしょう。

あなたとあなたの兄弟姉妹との間で遺産分割協議を進める中で、「相手が話し合いに応じない」、「相手が主張を一切譲らない」など、遺産分割が進まないと感じたときは、すぐに弁護士に相談しましょう。

 

相続トラブルに強い弁護士によるサポートについて

当事務所の弁護士は、遺産分割に関する問題への対応として、調停・審判といった裁判所に出向いて解決する方法に限らず、可能な限り、相手方との交渉による解決を第一とし、ご依頼者様の希望を実現できるように努め、早期に解決に導くサポートをさせていただきます。まずは一度、ご相談ください。

遺産分割でお困りではありませんか?

兄弟姉妹間の相続トラブルでお困りの方は、当事務所の弁護士の無料相談をご利用いただき、今後の方針をご検討いただくとよいでしょう。

 

当事務所のサポートについて

当事務所では、故人の相続財産のうち、不動産を相続せず、預貯金などの他の相続財産を相続したいとお考えの方に、弁護士より最適なサポートを提供させていただいております。

 

初回60分無料相談

当事務所では、相続の相談について、初回60分を無料とさせていただいております。不動産の相続を避けるかたちでの遺産分割について、あなたの不安点や疑問点を親身にヒアリングさせていただき、弁護士が相続に関する不安点や疑問点を解消できるようにご提案させていただきます。気になることや不安なことがあれば、ささいなことでもお気軽にご相談ください。

当法律事務所の無料相談について>>

 

遺産分割サポート

兄弟姉妹間の遺産分割について、あなたのご希望をお伺いしたうえで、ご希望を実現するお手伝いをさせていただきます。相続財産の分け方を相続人同士で協議する遺産分割について、交渉や法的手続のプロフェッショナルである弁護士がサポートいたします。

遺産分割問題解決の流れについて詳しくはこちら>>

具体的には、遺産分割に関する書類作成や遺産分割の交渉をあなたに代わって進める代理人の依頼、調停や審判に発展してしまった場合の代理人の依頼を、弁護士歴15年以上(解決実績200件以上)の相続に強い弁護士がお受けいたします。

※遺産分割協議から調停・審判に移行した場合、追加で着手金(ご依頼いただいた際に頂戴する前金)を頂戴いたします。

弁護士への相続の相談をご検討されている方へ

お早目に弁護士にご相談いただくことで、遺産分割に関する問題について、あなたのご希望に可能な限り応えられる解決を実現する可能性が高まります。

また、遺産分割協議の段階で弁護士に交渉をご依頼いただくことで、比較的短期間で解決に至る可能性が高まりますから、あなたの貴重な時間が奪われずに済み、さらには、ご家族・ご親族間の関係性も悪化させずに済むことが多いです。

上記のような理由から、「遺産分割協議が進まないな」、「自分が進めたい遺産相続が進められなさそうだな」と少しでも思ったタイミングで弁護士への相続の相談をお勧めしております。

執筆者情報

菅野亮
菅野亮
当サイトでは、相続問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。北海道札幌市で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。
初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度相続に注力する弁護士にご相談ください。
|当事務所の弁護士紹介はこちら
011-209-0200 メールでのご予約 LINEでのご予約

相談受付:9:00~17:00

電話受付:9:00~17:00

失敗しない弁護士の選び方
お客様の声
解決事例