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遺言による遺留分侵害のトラブルの例
遺言書は、被相続人が、これまでの相続人との関係性や感情、自分が死んだ後の相続人の生活保障など、様々な考慮の結果として作成されます。
遺言書によって遺産の分割方法が指定される際、特定の相続人を優遇したり、財産の配分が偏っていたりする内容になっていることがあります。
典型的には、「長男Aにすべての遺産を相続させる」など、特定の相続人にすべての遺産を取得させ、その他の相続人が遺産を取得できないケースがあります。
すべての遺産とまでいかなくても、大部分を一部の相続人が取得する遺言内容だと、その他の相続人には不公平感を抱くことがあります。
また、多くの遺産を受け取る相続人からすれば、「自分は親の面倒をみてきたのだから多く取得して当然だ」と感じることもあります。
このような状況になると、相続人間の対立を引き起こし、相続紛争やトラブルが生じる可能性があります。
遺留分をめぐるトラブルへの対応手段
交渉による解決
相続人間で話し合い、和解書などの合意により解決することが最も一般的な方法です。
費用や解決までの時間が少ない方法です。
調停を活用
話し合いが成立しない場合には、家庭裁判所での調停を申し立てることができます。
調停では、調停委員が関与し、当事者間での円満な解決を促します。
訴訟の提起
どうしても解決しない場合には、訴訟を提起して解決を図ることになります。
遺留分侵害の検討と解決
1 遺留分の金額を判断するためには、まず「遺留分の基礎となる財産」を計算します。
その計算は、以下の合計額から、「被相続人の債務」を差し引いて計算します。
・遺産
・相続開始前1年以内に行われた相続人以外の者への生前贈与
・相続開始前10年以内に行われた相続人への生前贈与で、特別受益に当たるもの
・遺留分を侵害することを双方が知りながら行われた生前贈与
2 「遺留分の基礎となる財産」が判明したら、その額から遺留分の割合を算定します。
相続人に配偶者、子ども、孫がいる場合だと、
「遺留分の基礎となる財産」の2分の1×「その相続人の法定相続分割合」
=「その相続人の遺留分の額」
になります。
3 遺留分請求者が、遺産の一部や特別受益を取得している場合には、上記2で計算した「その相続人の遺留分の額」から、取得した遺産や特別受益額を差し引いて、具体的な請求額を確定します。
4 このような計算により、具体的な遺留分請求額を検討することになります。
遺留分の検討は、法的な知識を踏まえて行う必要があります。
また、遺言内容に差がついていることで当事者間に感情的な対立が生じやすいといえますので、法律の専門家であり、代理人として交渉を行うことができる弁護士のサポートが有効です。
遺留分についてお悩みの方は、お気軽にすがの総合事務所に御相談ください。
執筆者情報

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