約4か月間の交渉で遺留分侵害請求を解決した事例

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依頼者情報

1.遺産額:約2500万

2.相続財産の種類:実家(マンション)、預金・金融資産

3.争点別:遺産分割、遺留分を請求したい

4.相続人との関係:実の兄弟

事案の内容

 お客様のお母様がお亡くなりになり、相続人はお客様(長男)のほか、長女がいました。

 生前、お母様はグループホームに入所しており、長男であるお客様とは離れて暮らしていました。お母様の近くに住んでいた長女がその面倒を看ており、お母様が認知症を発症した後、長女は任意後見人としてその財産を管理していました。

お客様と長女とは長年にわたり不仲となっており、当事者同士での話し合いが困難でした。また、お客様はどのような遺産があるのか情報が乏しい状況でした。

そこで、お客様は、長女との遺産分割協議を当事務所にご依頼なさいました。

 

当事務所の活動内容

 お母様の財産はすべて長女が管理しており、お客様は、お母様名義のマンションしか遺産について知りませんでした。また、遺言があるかどうかも不明でした。

 

まず、当事務所にて相手方に対し、遺産の情報を開示するように長女に請求しました。また、遺言の有無についても回答を求めました。

 長女からは、預貯金の口座、マンションといった遺産の情報が開示されました。また、「すべての財産を長女に相続させる」との内容の公正証書遺言があることが判明しました。

 

 当事務所は、お客様のご意見を確認した上で、長女に対し、上記の遺言によって侵害された遺留分侵害額の請求を、内容証明郵便にて通知しました。

 遺留分侵害額を具体的に算定するためには、マンションの評価額を算定する必要がありました。そこで、当事務所において、不動産業者に査定を依頼したところ、約2000万円の査定額となりました。

 そして、預貯金を含めた遺産の総額は約2400万円であることがわかりました。

 

 上記の金額を踏まえ、当事務所は長女に対し、お客様の遺留分4分の1が侵害されていることを理由に、約600万円の遺留分侵害額の請求を通告しました。不動産の査定結果も一緒に送付しました。

 長女からは、「請求された遺留分侵害額を支払う」との回答がありました。

 当事務所は、遺留分侵害額請求の解決の「合意書」を作成し、長女と、お客様の代理人として当事務所弁護士が署名押印し、合意書が完成しました。

 

 長女からは、合意書に定めた期限内に支払いがなされ、本件は解決しました。

 

処理のポイント

 相続人の一人が被相続人の財産を管理している場合、他の相続人は遺産に関する情報が乏しく、遺産の確認をする必要があります。

 本件では、当事者が不仲により交渉が難しく、当事務所が代理人として相手方と交渉し、遺産の情報を取得しました。

 

 また、本件では、遺言の存在が判明したため、お客様と協議の上、遺留分侵害額請求の方針となりました。

 遺言がある場合は、遺言の内容通りに遺産を配分することになりますが、遺言が遺留分を侵害している場合は、その侵害額を請求することができます。

 本件では遺言がお客様の遺留分を侵害していたので、当事務所が遺留分侵害額請求の通知を行いました。

 

 そして、具体的な遺留分額を計算する必要があるため、当事務所にて不動産業者に査定を依頼し、不動産の評価額を出しました。

査定結果を相手方に送付し、不動産の評価額が適正であることを相手方も納得し、当事務所からの遺留分侵害額請求に応じることになりました。

執筆者情報

菅野亮
菅野亮
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