この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。
依頼者情報
遺産額:約1,000万円以下
相続財産の種類:預金・金融資産
争点別:遺産の使い込み
相続人との関係:実の兄弟姉妹
事案の内容
お客様のお母様がお亡くなりになり、葬儀も行われましたが、母の財産を管理していた三女は、母の遺産について、その他の姉妹に何の連絡もしない状態が続きました。
そこで、長女と次女(お客様)は、銀行の取引履歴を開示してもらい確認したところ、母が病院に入院して亡くなる直前の3か月ほどの間に、預金が500万円以上払い戻されていることがわかりました。
お客様と三女との間は険悪で話し合いができる状態ではなく、解決の糸口が見えないため、当事務所にご依頼なさいました。
当事務所の活動内容
まず、当事務所にて、三女に対して銀行の取引履歴を送付し、払い戻した500万円以上のお金をどのような使途で支出したのかを質問する文書を送りました。
三女の側にも弁護士が付いて、払い戻しの事実は認めたものの、「葬儀費用、祭祀承継費用、母の面倒を看た寄与分に充てられる」と主張し、話し合いはまとまりませんでした。
そこで、当事務所が代理人として、三女によって払い戻された預金の法定相続分を主張して、裁判所に訴訟を提起しました。
結果
裁判では、当方は、葬儀費用以外の支出は認められないことを主張し、裁判所は、当方の主張を受け入れ、三女が払い戻した金額から葬儀費用を差し引いた分の法定相続分割合を、お客様に返還する内容の和解案を提示しました。
双方とも裁判所の和解案を受け入れ、和解により解決しました。
処理のポイント
被相続人の生前に預金を管理していた相続人が、預金の一部を自分のために使いこんでしまうケースは、弁護士としてしばしば相談を受けることがあり、多くは典型的な相続争いに発展します。
被相続人の預金を相続人が勝手に使いこんでしまった場合、その他の相続人は、自分の法定相続分の割合のお金を不法行為、または、不当利得として、返還を求めることができます。
返還を求めるためには、被相続人の健康状態、預金の払い戻された金額、払い戻された時期などを検討し、法的に請求できるかどうかを判断することになります。
本件は、被相続人が入院しており、払い戻された時期がお亡くなりになる直前の3か月間という短期間であり、その多くの金額は被相続人のための支出ではないと判断されました。
執筆者情報
-
当サイトでは、相続問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。北海道札幌市で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。
初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度相続に注力する弁護士にご相談ください。
|当事務所の弁護士紹介はこちら
最新の投稿
- 2024.10.16Uncategorized「みんなが選んだ終活」で当サイトが紹介されました。
- 2024.09.23Uncategorized個人年金保険金を受け取る権利が遺産に含まれるかどうか争われた事例
- 2024.08.01弁護士コラム特別受益と遺留分の関係をわかりやすく解説!遺留分請求の計算方法を紹介
- 2024.08.01弁護士コラム多数の収益不動産を持つ場合の相続手続きとリスクについて