この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
公正証書遺言の大きなメリット
無効になる可能性が低い – 法律専門家による安心のチェック体制
遺言書は、遺産の分け方を定める重要な法律文書です。しかし、自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合、民法で定められた厳格な方式を守らないと無効になる可能性があります。
たとえば、日付を誤記した、押印を忘れた、署名が欠けているといった小さな不備でも、遺言全体が無効とされることがあります。さらに、認知症や意思能力の低下が疑われる場合、遺言の有効性自体が争われることも少なくありません。
公正証書遺言であれば、公証人が遺言者本人の意思を直接確認し、法律上の形式をすべて満たして作成します。加えて証人2名が立ち会い、その場で内容を確認するため、作成過程が明確に記録されます。
このため、公正証書遺言は無効になるリスクが自筆証書遺言に比べて低く、実務上も裁判で有効性が認められやすい形式です。
紛失・偽造・改ざんの危険性がない – 公証役場による原本保管
自筆証書遺言は、自宅や貸金庫に保管するケースが多く、発見されないまま相続が始まったり、第三者によって隠匿・破棄されたりするリスクがあります。実際、相続人の一部が有利になるよう遺言書を改ざんした疑いが持たれる事例も存在します。
公正証書遺言の場合、原本は公証役場で厳重に保管され、遺言者や相続人は正本・謄本を必要に応じて取得できます。原本が外部に出ることはなく、偽造や改ざんの心配はほぼゼロです。
相続人同士の信頼関係が必ずしも強くない場合や、遺産が高額である場合には、この安全性は大きな安心材料となります。
すぐに相続手続ができる – 検認不要でスピード解決
自筆証書遺言は、原則として相続開始後に家庭裁判所での「検認」手続が必要です。検認は遺言書の内容や形状を確認するだけの手続ですが、申立書作成、必要書類の収集、裁判所の日程調整などに時間がかかり、数週間から数ヶ月要することもあります。
この期間、預金の払戻しや不動産の売却が進められず、遺族の生活や事業継続に支障をきたすことがあります。
公正証書遺言は検認不要のため、遺言執行者がすぐに手続きを開始できます。迅速な相続手続きは、遺族の精神的・経済的負担を大きく軽減します。
証拠能力が高い – 裁判になっても有効性を維持
遺言をめぐる争いの中でよくあるのが、「遺言者は作成当時、認知症で意思能力がなかった」という主張です。自筆証書遺言の場合、作成時の状況を第三者が記録していないため、このような争いに発展すると有効性を立証するのが難しくなります。
公正証書遺言は、公証人と証人2名が遺言作成の現場に立ち会い、遺言者の口述をもとに作成します。作成過程や意思確認が公的に記録されるため、裁判での証明力が非常に高く、「無効」と判断される可能性は低くなります。
当事務所が提供する遺言作成サポートの流れ
丁寧なヒアリングと最適な遺言書案の検討
当事務所では、単に形式的な遺言作成にとどまらず、依頼者の想いや背景を反映した内容に仕上げます。
- 家族関係、相続人の状況、財産構成を詳細に確認
- 相続人間の公平性や遺留分への配慮
- 付言事項を活用し、遺言の背景や想いを文章にして伝える
- 相続税が発生する場合は提携税理士と連携し、税金の負担を意識した内容にする
これらを踏まえ、依頼者の希望を最大限反映しつつ、法的に有効で実行力のある遺言書案を作成します。
専門的な調査と法律への配慮
遺言の効力を確実なものにするためには、正確な相続人と財産の把握が欠かせません。
- 戸籍謄本を取得し、正確な相続人を特定
- 不動産、預貯金、株式、投資信託などの財産調査
- 遺留分を侵害しない分割案の作成
- 遺産分割方法を明確化し、執行時の混乱を防止
こうした調査と配慮によって、実効性の高い遺言書を完成させます。
公正証書遺言作成をご検討の方へ – 成功のポイント
公正証書遺言は、次のような方に特にお勧めです。
- 不動産を複数所有している
- 推定相続人同士の関係が複雑または不仲
- 事業承継を予定している経営者
- 推定相続人以外に財産を遺したい(内縁の配偶者、友人、団体など)
作成には事前準備が必要です。遺言内容の検討、財産の整理、相続人調査などを事前に行い、弁護士の助言を受けながら進めることで、将来の紛争を効果的に防止できます。
まとめ – 公正証書遺言で「将来の安心」を!
公正証書遺言は、自筆証書遺言に比べて費用や手間はかかりますが、その分「無効とされるリスクの低さ」「改ざん防止」「手続きの迅速さ」「証拠能力の高さ」という大きなメリットがあります。
将来の家族の平穏や財産の円滑な承継を考えるなら、信頼できる弁護士とともに公正証書遺言を作成することが、もっとも確実な方法です。
当事務所では、依頼者の想いを法的に確実に実現し、相続人が安心して手続きを進められるよう、万全のサポートを提供しています。公正証書遺言をご検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。
執筆者情報

-
当サイトでは、相続問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。北海道札幌市で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。
初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度相続に注力する弁護士にご相談ください。
|当事務所の弁護士紹介はこちら
最新の投稿
- 2025.08.12預貯金は相続したいが不動産は相続したくない方へ
- 2025.08.12円満に遺産分割したい方へ
- 2025.08.12当事務所が公正証書遺言をお勧めする理由
- 2025.08.12遺言書の種類